2015年 6月18日 第327回定例会 代表質問

<質問項目>
1.本県の地域創生戦略について
(1)兵庫県地域創生戦略の策定について
(2)安心して子育てできる兵庫の実現について
2.国民健康保険の県移管に向けた取組について
3.高齢者の生活を守る取組について
4.スポーツを活かした観光振興の推進について
5.農地中間管理機構による農地集約及び大規模化について
6.大阪湾岸道路西伸部の早期事業化への取組について
7.県立高校の学区再編後の課題について
8.高齢者の交通事故減少対策について
1.本県の地域創生戦略について
(1)兵庫県地域創生戦略の策定について

【質問:越田】
本年度は「地方創生元年」と言われています。昨年末政府は、まち・ひと・しごと創生に関して、2060 年に1億人程度の人口を確保する中長期展望を提示し、雇用創出と人口増加の好循環による地方創生の基本方針を示す「長期ビジョン」と2015年度から5か年の政策目標・施策を内容とする「総合戦略」を策定しました。これに基づき、兵庫県においても「兵庫県地域創生条例」を制定し、知事を本部長とする「地域創生推進本部」や、産学官金労言の有識者で構成する「地域創生戦略会議」を設置し、将来にわたって活力ある地域社会を構築していくための人口対策と、地域の元気づくりの2本柱で当面5年間の目標や取組について「兵庫県版地域創生戦略」の策定に取り組んでいるところであります。
しかしながら我が国における地方の活性化については、戦後の過疎対策から近年の数次にわたる成長戦略に至るまで数多くの取組がなされてきたにも関わらず、問題が深刻化してきたという歴史があります。この点、国の総合戦略において「これまでの政策は、一定の成果を上げたが、大局的には地方の人口流出や少子化に歯止めがかかっていない。」とし、その要因として次の5点をあげています。①府省庁・制度ごとの「縦割り」構造、②地域特性を考慮しない「全国一律」の手法、③効果検証を伴わない「バラマキ」、④地域に浸透しない「表面的」な施策、⑤「短期的」な成果を求める施策 であります。これらの反省に基づき、国は「地域経済分析システム」や「地方創生コンシェルジュ制度」による支援、地方自らが地方の特性に活かす戦略策定などにより地方創生政策を進めようとしています。ですが現実的には、全国の自治体で国の長期ビジョンと総合戦略に倣い、地方版の総合戦略の策定が進められ、都市部や地方部における課題はどうしても似通っているため、総合戦略の内容も非常に似通ったものとなる可能性があります。人口増や地域経済の振興を図り、具体的な成果をあげるには、他地域との競争に勝たなければならず、戦略策定に当たっては、都市間競争、自治体間競争の側面を十分考慮し、過去の失敗の歴史に学びつつ兵庫らしさを活かした競争戦略、差別化戦略が必須になると考えます。井戸知事は「経済効率性を追い求めて、地域の切り捨てにつながるような拠点化、集約化を進めるのではなく、大都市から農山漁村まで、個性豊かな地域がそれぞれ機能を分担しながら連携し、活力を持って自立できる兵庫をつくらねばならない」と述べられていますが、限られた予算の中で、政策の選択と集中により、どう兵庫全体のデザインを描き、競争力と実効性のある総合戦略を策定しようと考えていくのか、また各市町の戦略策定に向けての連携や、関西広域連合の広域経済圏としての生き残り戦略との連携についてどう考えるのか、知事のご所見をお伺いします。

【答弁:井戸知事】
公明党・県民会議議員団を代表しての越田浩矢議員のご質問にお答えいたします。
まず、兵庫県地域創生戦略の策定についてです。
ご指摘のように、地域創生は兵庫らしさを生かした戦略として、競争力と実効性のあるものにしなければならない、このように考えています。このため、本県の強みを生かすことが基本になります。
まず、阪神・淡路大震災の経験を踏まえた先進的な防災・減災への取組です。第2に、航空機や医療機器などの新分野をはじめとした、ものづくり産業の振興です。第3に、Spring-8やスパコン京などの科学技術基盤の活用です。第4に、多文化共生社会を生かしたグローバル化の推進です。第5に、進取で多彩な人材の養成と活用などであります。
また、人口対策と地域の元気づくりを柱とする戦略には、多子型の出産・子育てが可能な社会を実現するなど、九つの基本目標と、それに応じた成果指標を定めてまいります。各施策について重要業績評価指標――KPIと言っていますが――これを設定し、毎年度、評価・検証を行うことにより、競争力と実効性に十分配慮した戦略を作ってまいります。
なお、市町の地域創生の取組についてですが、県として窓口を明確にするため、地域創生課に地域担当の企画官を置きました。市町振興課には、地域ごとの担当を置いています。全庁横断の支援体制をとります。そして、県戦略についての情報提供や市町の検討会議への企画官などの出席、政府のコンシェルジュとの意見交換の場の設定などを行い、市町との連携を図ってまいります。
また、関西広域連合におきましては、関西圏域の展望研究が進められ、複眼型の国土構造の構築、関西の文化や経済の強みの発揮、地域資源の活用、多様性と連携など、広域――広い地域と、狭域――狭い地域との連携と協働が検討されていますので、これとの位置付けも十分検討してまいります。

(2)人口の自然増対策について

【質問:こしだ】
次に、地域創生の中でも特に重要課題として提起されている人口の自然増対策についてお尋ねいたします。
人口の自然増対策、いわゆる少子対策については兵庫県としてもこれまで出会いのサポート事業をはじめ結婚、妊娠、出産、育児、子育てなど全般にわたり総合的な支援を行ってこられ合計特殊出生率がアップするなど一定の効果も現れたところであります。しかし、厚労省の人口動態統計によると、2014年の日本の合計特殊出生率は1.42と9年ぶりに低下し、兵庫県は1.41と全国平均よりも低く、下から11番目に低い数値となりました。また出生数、結婚したカップル数は戦後最少となっており、死亡者数より出生数が上回ったのは沖縄、愛知、滋賀の3県のみであり、合計特殊出生率が今後アップしたとしても、出産世代の女性が今後も減少する見込みであることから、人口減少に歯止めをかけることは容易ではない状況であります。
兵庫県地域創生戦略の骨子案においては、2060年の県の人口を450万人と2010年比で19%減となる数値目標を設定し、それに向けて現状の年間出生数の44千人を維持することを掲げています。これを達成するには出生率を2020年には1.57にアップさせ、最終的には出生率を2に近づけていくことが必要であり、非常に困難な目標となっています。これだけの高いハードルは、従来の取組みの延長だけでは到底クリアすることはできないと考えます。若者の自立支援、結婚、妊娠、出産、育児の切れ目のない総合的な支援策の厚みを増して推進していくことも当然重要でありますが、出生数を増やす上で最も効果的なことは何かを見極めつつ、新たな取組みも必要ではないでしょうか。
子どもを持つ喜びを感じることができるような赤ちゃんと接する体験教育や、第1子出産後、第2子、第3子を産みやすくする支援策の大幅な強化、産業界の出産・子育てに対する金銭面や労働環境面での支援協力なども重要であると考えます。
県として人口減少に歯止めをかける有効な方策について、現状分析と課題認識、そして施策に応じた予算の重点化等、どのようにして当面の目標である2020年までの5年間で出生数22万人、合計特殊出生率1.57を達成しようとするのかについてご所見をお伺いします。

【答弁:井戸知事】
人口の自然増対策についてです。本県の出生数は、平成22年から毎年減少し、昨年は4万4,817人となりました。合計特殊出生率は、昨年は1.41と、平成23年以来3年ぶりに――0.01ではありますが――低下しました。全国平均が1.42ですので、全国との格差は近年ほとんど変わっておりません。
この要因としては、まず団塊ジュニア層が40歳代となり、20から30代の女性人口が減少していること、第2に未婚化や晩婚化、晩産化の進行などが考えられます。
少子対策は、結婚や出産に関する個人の意識をはじめ、子育てと仕事が両立できる環境整備、子育てに係る経済的負担の増大など、さまざまな問題が複雑に絡む課題であります。その解決に向けては、多岐にわたる総合的な取組が必要です。
県としましては、この3月に「ひょうご子ども・子育て未来プラン」を策定しました。その中で、子供を持つ喜びを感ずることができるような体験教育を含めた未来の親づくりを進めることにしています。第2に、第2子、第3子を産みやすくする妊娠・出産への切れ目のない支援を行う、第3に、ひょうご仕事と生活センターを中心に産業界への働き掛けも行って、子育てと両立できる働き方の実現などの推進方策を柱にしています。本年4月からの子ども・子育て支援新制度も活用して、子育て支援について、質・量とも拡充してまいります。
これらによりまして、2020年――平成32年の合計特殊出生率1.57、5年間の出生数22万人、年平均4万4,000人の目標を実現してまいります。
さらに、本年度には、地域創生戦略会議のもとに、子ども・子育て未来プランについて、更に掘り下げて検討を進めていくため、「少子対策ワーキングチーム」を設置しました。多子世帯への更なる支援や経済的支援の拡充などについて、議論を進めています。
今後とも、子ども・子育て会議での審議と併せ、予算の重点化も視野に入れながら、実効性のある施策展開を図ってまいります。

2.国民健康保険の県移管に向けた取組について

【質問:こしだ】
次に、国民健康保険の県移管に向けた取組について伺います。
自営業者や無職、非正規労働者ら約3,500万人が加入する国民健康保険の在り方を含む医療保険制度改革については、5月27日に関連法が成立しました。この内容は、平成30年度から保険者を市町から県へと移行し、国保の財政運営の責任者を県とし、県内の統一的な国保の運営方針を定め、市町が行う事務の効率化や標準化、共同処理・広域化、医療費の適正化、保険料の納付状況の改善を進めようとするものです。市町は、保険料の賦課徴収、資格管理、保険給付の決定、保健事業等を実施することになり、国は、低所得が多い自治体に対する財政支援の拡充等による国保の財政基盤強化として年間約3,400億円の支援を行い被保険者の保険料の伸びの抑制などの負担軽減を図ることとされました。
国民健康保険は、制度創設から50年という長期にわたり、我が国の国民皆保険制度の中核を担ってきました。しかし、高齢者の増加で医療費の支出が増える一方、加入者の平均所得が低く、保険料負担が重いという構造的な問題を抱えています。
県内においても市町間の格差が著しく、一人当たりの医療費の格差は1.3倍,所得は2.7倍、保険料は1.6倍という実態となっています。各市町での保険料の引き上げや、収納率の向上、医療費適正化対策などの保険者の取組はすでに限界にきており、一般会計からの法定外繰り入れや繰上充用等で何とか国保会計を運営しているのが実情であります。国保を将来にわたって持続可能な制度にするためにはあるべき保険料水準や、抜本的な財政基盤の強化が必要であります。県と市町の役割分担の議論だけでは、この問題は解決できないと認識しております。多くの課題を抱える中、国保の県単位化が推進される中で、これまで以上に国と共に市町とも丁寧に協議を積み重ねることが必要と考えます。
特に、各市町がこれまで特定健診・保健指導など、先駆的に取り組んできた医療費の適正化により、一定の効果も出てきております。また、国保被保険者に対する任意給付などは地域の実情に応じて実施してきた経緯もあります。今後の制度設計にあたってはそうした状況を把握し、これまでの努力に応えるべきと考えます。今後、制度開始までの3年間、将来にわたり県民、とりわけ国保被保険者が安心して適切な医療を受けられるよう、どのように取り組むのか、所見を伺います。

【答弁:井戸知事】
国民健康保険の県移管に向けた取組についてのお尋ねがありました。
国民健康保険は、低所得者や高齢者が多く、1人当たり医療費も高いという課題があり、単に保険者を都道府県に移行するだけで問題が解決されるものではありません。
この認識のもと、県としては、将来にわたり国民皆保険制度を維持していくため、分立する医療保険制度を一本化し、国を保険者とすることを主張してきました。このたび、国において国保の財政基盤の強化と県を保険者とすることを主な内容とする国保の改正法が成立しました。
しかし、同法には、医療保険制度の一本化への道筋が示されていません。具体的な財政支援策や制度運用の詳細等は、今後の協議事項とされています。
県としましては、今回の改正を医療保険制度の一本化への第一歩として捉えたいと考え、制度設計者である国に対し、一本化への道筋を明らかにせよ、将来にわたる医療費の増嵩に対応するための国の責任を明確にし、更なる財源を確保するよう国に要請しています。
併せて、現在、市町間で、ご指摘のありましたように、格差のある医療費や保険料、任意給付等の給付内容につきまして、まず保険料等の格差是正、平準化に向けた方策、第2に市町の行う保険給付等に対する都道府県の関与のあり方などが不明確でありますので、国と地方3団体から成る国保基盤強化協議会で検討することと、これらがされています。早期に制度の詳細を明らかにすること、制度設計に当たっては地方と十分協議するとともに、地方が提案した方策を反映することを求めているものです。
国に対して、これら提案の実現を求めていきますとともに、市町に対しましては、今年5月に立ち上げました県・市町から成ります「国民健康保険連絡協議会」におきまして、将来的な保険料や給付内容の平準化に向け、慎重で丁寧な協議を重ねることにより、持続可能な制度構築に取り組んでまいります。

3.高齢者の生活を守る取組について

【質問:こしだ】
次の質問は、高齢者の生活を守る取組についてであります。
現在、厚生労働省では、2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的として、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制いわゆる地域包括ケアシステムの構築を推進しています。
具体的には、24時間の見守り体制や訪問介護・訪問看護などの在宅支援の体制強化を図っていくことになりますが、在宅支援では、少なからず家族のサポートが必要となるため、独居老人など家族の支援が得られない方をどのようにサポートしていくかが大きな課題となります。共助といっても、その中核をなす自治会等では、個人情報の把握が困難であるとか、役員の高齢化によって活動が弱体化しているなどの理由により、在宅高齢者を完全にサポートしていくことは大変難しい状況であるといえるでしょう。今後益々、増嵩する社会保障費に財政が圧迫されるとはいえ、在宅支援だけでは高齢者の生活を守ることはできません。在宅支援の体制構築とあわせて特別養護老人ホームなどの施設整備も計画的に進めていく必要があります。
現在、特養が絶対的に不足する中で、サービス付き高齢者向け住宅、いわゆる“サ高住”がある種のつなぎ施設になっている側面がありますが、そのサ高住では、介護サービスの囲い込みが行われるなどの問題が指摘されており、自治体の立ち入り検査権限が強化されることとなっています。また、ケアマネジャーが雇用されている施設の囲い込みを行い、過剰なサービスの提供を行っているとの指摘も出されています。
このように介護における課題は山積している状況ですが、県としてこれらの課題をどのように認識されているのか、また、高齢者の皆様が安心して暮らしていくためには、在宅支援と施設整備をどのようなバランスで進めていかなければならないのか、当局のご所見をお伺いします。

【答弁:井戸知事】
続いて、高齢者の生活を守る取組についてです。
今後10年間で、後期高齢者や認知症高齢者の大幅な増加が予想されます。このため、介護が必要となっても、長年住み慣れた家庭や地域で、可能な限り自分らしい生活ができるよう、医療、介護、生活支援などのサービスが、日常生活圏域で総合的に提供される地域づくりや介護基盤整備に取り組んでいく必要があります。この課題としましては、在宅高齢者などへの見守りや生活支援などの支え合い活動の基盤づくりが必要です。
県としては、そのモデルとしまして、既に元気高齢者等による配食サービスやミニデイサービスなどを行う地域サポート事業--安心地区事業を県内10ヵ所で展開し、今年度も新たに5ヵ所で実施する予定です。
さらに、在宅高齢者の見守りの核としまして、特別養護老人ホームに生活援助員――LSA等を配置して、24時間体制で見守りを行う地域サポート型特別養護老人ホームを既に28ヵ所で実施し、今年度、新たに8ヵ所を追加することとしています。
なお、介護事業者による過剰なサービス提供等についてのご指摘がありましたが、法に基づく立入検査等を実施するほか、ケアマネジャーが公平中立かつ適切なケアマネジメントを行うよう、研修会等を通じて指導を強化してまいります。
先日、日本創成会議が、2025年に東京圏で介護施設等が13万人分不足すると発表しました。本県におきましても、特別養護老人ホームが、現状と比べ約1万3,000人分不足すると見込んでいます。
この不足分につきましては、施設と在宅とのバランスを考慮するとともに、自宅での生活を希望する中重度の要介護高齢者のニーズに応えるため、約8,000人分を特別養護老人ホームの整備で、約5,000人分を24時間定期巡回・随時対応サービスやサービス付き高齢者向け住宅の特定施設入居者生活介護の指定の拡充によりまして、在宅サービスの充実で対応することにしています。
今後とも、高齢期の生活への不安を感じることがない状況を生み出しますように努力をしてまいります。

4.スポーツを活かした観光振興について

【質問:こしだ】
次の質問は、スポーツを活かした観光振興についてであります。
2014年に日本を訪れた外国人旅行者は約1,340万人となり2年連続で最高を更新しています。さらに、その経済効果は2014年では2兆278億円と、前年比43.1%増加しています。政府は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに訪日外国人旅行者数2,000万人の目標を掲げており、今後も増え続ける旅行者を積極的にこの兵庫に呼び込むことが地域経済の活性化、地域創生に大きく寄与する方策と言えるでしょう。
本県は、京都、大阪に比べると歴史遺産や著名な観光スポットは少ないかもしれません。しかし、最近の訪日旅行者は従来型の観光名所巡りとは違った、例えば、人々の日常の生活文化に関心が高いとも言われています。都市から豊かな自然まで、“日本の縮図”とされる本県の特色を強みとするような取組が求められます。訪日旅行者だけでなく、国内からの旅行者についても、テーマ性を持った旅へのニーズも高まっており、ここではスポーツを生かした観光振興について取り上げます。
国際的、全国的なスポーツイベントとしては、2017年に本県で開催される日本スポーツマスターズ、神戸市も試合開催地となった2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、そして2021年の関西ワールドマスターズゲームズと大きな大会が続きます。先日、5月22日には関西ワールドマスターズゲームズ2021組織委員会総会が大阪国際会議場で開催され、組織委員会会長である井戸知事は海外からの2万人を含め計約5万人の参加を目指すと表明されました。
日本スポーツマスターズはシニア世代を対象とした総合スポーツ大会であり、日本体育協会が主催する、イメージとしてはシニアの国民体育大会、国体といったものと承知しています。我々、公明党・県民会議としては、さらに、国体冬季大会の4~5年後の本県開催を目指していくべきであると提案いたします。平成18年、2006年に本県で開催された“のじぎく国体”は多くの感動を私たちに与えてくれました。本県で再び国体を開催することの意義は非常に大きいのではないかと考えます。
本県には、観るスポーツとして、野球、サッカー、バスケットボールなどのプロチームをはじめ、バレーボール、ラグビーの強豪チームがあり、各種のカレッジスポーツも盛んです。また、するスポーツとしても、淡路島を自転車で一周する「淡路島ロングライド」や神戸マラソンなどの多様な大会があります。
ファンであるチームを応援するために、また、自らが大会に出る、知人や家族を応援するために全国各地から本県を訪れる、合わせて観光を楽しむ、というツーリズムも少しずつ広がっているように思われます。
スポーツをテーマとして本県の魅力をプロモーションすることは今後、誘客増を図る上で大きな可能性を秘めているのではないかと考えますが、当局の所見を伺います。

【答弁:井戸知事】
スポーツを生かした観光振興についてのお尋ねがありました。
スポーツを「観る」、「する」ことを目的とした旅行に加え、周辺観光を行うとともに、スポーツを支える人との交流を図るスポーツツーリズムの推進は、新たな誘客につながり、経済効果も高く、県民の健康志向の高まりと相まって、有意義であります。
例えば、昨年度、神戸マラソンでは、参加者約2万人、沿道応援者・ボランティア約62万3,000人を数えました。多くの方に、兵庫県、神戸の魅力を感じていただき、経済効果も過去最高の約74億円だと試算されています。
本県は、豊かな自然や、甲子園球場、全国有数のゴルフ場などの施設、そして、歴史的・文化的な潤いのある施設を数多く持っていますし、そのような中で行うスポーツツーリズムの高いポテンシャルがあると考えています。
こうした中で、市町観光協会などが開催するリレーマラソンやサイクリング大会など、県として支援を行っています。ひょうごツーリズム協会のホームページで、ゴルフツーリズムも紹介しています。また、今年度のあいたい兵庫キャンペーンでは、温泉地周辺の魅力的な観光スポットのほか、森林ウオーキングやパラグライダーといったスポーツの楽しみ方を提案する「温泉プラスワンツーリズム」をメーンテーマとして、全国的なプロモーションを展開していきます。
今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年の関西ワールドマスターズゲームズ等において、国内外から多くの誘客が見込めることになります。本県観光の魅力を積極的に発信してまいります。
特に、先般、観光庁から認定を受けました二つの広域観光周遊ルート、一つは関西を中心とする「美の伝説」の周遊ルート、一つは「瀬戸内・海の道」という瀬戸内ブランド推進連合の推進する広域観光ルートでありますが、これらを活用して、近隣府県とも連携を図りながら、また関西広域連合の広域観光の推進と連携を図りながら、海外に向けたPRも強化してまいります。
また、ボランティア等に対するおもてなし研修の充実などにより、リピーターの確保にも努め、大会を契機とした本県への誘客増を図っていきます。
お尋ねのありました冬季国体でありますが、スケート、アイスホッケー、スキーの3競技によって行われることになります。スキーにおきまして、ジャンプ台整備のための新たな投資が必要な上に、本県のジャンプ人口が少ないこともあり、平時の利用がほとんど見込めないこと、もし競技期間中、雪不足だった場合の対応なども課題でありますので、解決策の有無を検討の上、判断したいと考えています。

5.農地中間管理機構による農地集約への取組について

【質問:こしだ】
次の質問は、農地中間管理機構による農地集約への取組についてです。
先月、農林水産省から農地中間管理機構による農地集約の昨年度実績が公表されました。農地を大規模化して効率化を図ることを目的として始まった農地中間管理機構が始動した初年度の実績です。機構を通して貸し付けなどが行われた農地面積は、目標の15万ヘクタールに対して31,000ヘクタールで、借り手側の需要面積23万ヘクタールとは大きな開きがある結果となりました。兵庫県もみどり公社を管理機構として集約化を行っていますが、実績は408ヘクタールで、政府が設定した目標の11パーセントとなっています。
この背景としては、農地は先祖伝来の財産という意識もあり、農地を人に貸し出すことへの不安や抵抗感から、借り手側の旺盛な需要に応えられないということではないかと思われます。
しかしながら、知事も本会議において答弁されましたように、本県農業の継続的な発展を図っていくためには大規模農家や集落営農の育成を促進し、さらにその大規模農家や集落営農のさらなる法人化や集団化を進めることにより、実質的な経営規模の拡大を図り永続的な農業経営体を育成していくことが大きな課題であります。農地の集約が思うように進まないという、初年度で明らかになった課題の解決に取り組まねばなりません。
実績が低調であった要因として、農水省は機構の農地所有者への働きかけが乏しかったことも挙げています。機構が積極的に農家へ説明に出向き、丁寧な話し合いを重ね、農家との信頼関係を築くことも農家の農地貸し出しへの不安解消につながる大きな要素と思われます。
その説明に際しては、今なぜ農地集積を行い、農業の集約化を行わなければならないのかという、地域農業のデザイン、地域社会の将来像を示していく必要があります。その将来像に納得が得られなければ、農地の集約を進めていくことは難しいのではないでしょうか。
また、知事は、地域農業の継続のためには、今後持続が困難となる小規模兼業農家には自家消費用の農業活動を続けながら、大規模農家や集落営農への農地提供をしていただく、すなわち株主のような考え方で地域農業を支えていただくという考えを示されています。農地集約の利点とともに、そのような、公益性ともいえる意義を個別の農家に理解していただくことも必要と考えます。
農地中間管理機構による農地集約及び大規模化に今後どのように取り組むのか、知事のご所見をお伺いします。

【答弁:吉本副知事】
農地中間管理機構によります農地集約への取組について、お答えをいたします。
力強い農業構造の実現を図りますため、平成35年度までの10年間で、県内農地の約5万ヘクタールを担い手に集積・集約する目標としております。このうち、農地中間管理事業で2万5,000ヘクタールを計画をいたしているところであります。平成26年度につきましては、528経営体から約1万200ヘクタールの農地の借り受け希望に対しまして、本年3月末時点では、408ヘクタールの貸し付け実績にとどまっておりまして、6月末時点では約1,200ヘクタールの実績となっておりますが、議員ご指摘のように、目標達成に向けて、更なる努力が必要と考えてございます。
実績が低調であった要因といたしましては、一つには、制度趣旨が農地所有者に十分行き届かなかったこと、二つには、貸借期間が10年と長期のため制度利用への不安感や抵抗感があったこと、三つには、農地集積に対する地域での合意形成に時間を要したことなどが挙げられます。
これらを解決いたしますには、制度の理解促進と併せまして、地域が主体となり、将来の担い手や農地利用のあり方について話し合う「人・農地プラン」の作成が重要でございます。
このため、一つには、農地所有者等へ、通年で新聞などマスコミを活用した制度周知を図ってまいります。二つには、各県民局の農林振興事務所、農業改良普及センター、土地改良センターによります推進チームを強化いたしまして、市町や農業委員会、JAなど、関係機関と連携をし、地域の実情に応じた合意形成をしてまいります。三つには、国の交付金事業を用いて多くの農村地域で取り組んでおります農地保全活動の話し合いの機会を活用してまいります。
これらの取組を通じまして、人・農地プランの作成や集落営農の組織化、法人化を一体的に進めてまいります。特に、中山間地域等では、地域での農地管理協定の締結や鳥獣害保護柵の整備等と併せて、農地中間管理事業を実施している優良事例の手法も取り入れながら、農地の集積・集約に結びつけてまいりたいと考えております。
2年目となります今年度は、地域の合意形成を精力的に支援をいたしまして、担い手への農地の集積・集約化を加速をさせまして、本県農業の構造改革と競争力の強化に取り組んでまいります。

6.大阪湾岸道路西伸部の早期事業化への取組について

【質問:こしだ】
次の質問は、大阪湾岸道路西伸部の早期事業化への取組についてであります。大阪湾岸道路は、神戸淡路鳴門自動車道‘垂水ジャンクション’と関西国際空港近くの‘りんくうジャンクション’の間の約80㎞で計画されているものです。りんくうジャンクションから六甲アイランドまで及び名谷ジャンクションから垂水ジャンクションまでの整備済みの区間については、阪神高速湾岸線として、関西の高速道路ネットワークを構成する路線の一つとして重要な役割を果たし、多くの利用がなされています。
駒ヶ林南から名谷ジャンクションまでの6.4㎞については平成6年9月に、六甲アイランドから駒ヶ林南までの14.5㎞は平成21年3月に都市計画決定がなされており、この計画路線の事業化は本県にとって、また、関西にとっても悲願とも言えるものです。阪神・淡路大震災の影響や、民主党政権による公共事業の抑制、長期化したデフレ不況など、この間の社会状況は高速道路の整備に対しては厳しいものでした。しかし、必要な道路はやはり計画的に整備していく必要があります。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、東京近郊では高速道路ネットワークの整備が目に見えて進んでいます。関西においても、まずは既に都市計画決定がなされている区間について、具体的な進展が望まれるところです。
特に、大阪湾岸道路西伸部は、大きく次の4つの課題解決を図るために必要不可欠であります。一つには、慢性的な渋滞が続く阪神高速神戸線の渋滞緩和、二つには、阪神港や神戸空港等の機能強化、三つには、大規模災害時等の多重性確保、そして、国道43号の沿道環境の改善であります。こうした大きなメリットのある西伸部の整備ですが、事業着手に至らない理由の一つとして、神戸港を通過するという特性から大規模な橋梁が必要となることもあり、多額の事業費を誰がどのように負担するのかという事業手法が定まらないことがある、と承知しています。既に、国、阪神高速道路株式会社、県、神戸市の4者による協議が行われているようですが、早期事業化に向け、事業手法の決定等に期待するところです。
我々、県議会も今年4月に、神戸市選出議員による大阪湾岸道路西伸部整備促進県議会議員連盟を立ち上げました。また、神戸市会にも整備推進議連が、5月14日には国会議員による議連も結成され、県、神戸市、神戸商工会議所の主催により、井戸知事をはじめとするトップが揃い、国、県、市の議連メンバー同席のもと、西伸部の早期事業化を求める決起大会が東京で開催されました。我が会派も、太田国土交通大臣に対しては独自にこの区間整備の重要性について説明を行い、特に六甲アイランドから駒ヶ林南までの区間について、来年度新規事業着手に向けた要望を続けてまいります。
なお、西伸部の整備効果を最大限に発揮するためには、名神高速道路と阪神高速湾岸線を結ぶ名神湾岸連絡線も早期に供用を開始することが大変重要であると思います。
活力あふれる兵庫の創生に必要な社会基盤の整備という観点からも、整備促進の気運が高まる中、あらためて、大阪湾岸道路西伸部の早期事業化に向けた知事の決意を伺います。

【答弁:井戸知事】
大阪湾岸道路西伸部の早期事業化への取組についてです。
大阪湾岸道路西伸部は、関西圏の環状道路を形成し、名神湾岸連絡線と一体となって、名神・新名神高速道路等の国土軸と直結する重要な道路であります。また、将来は播磨臨海地域道路とも結ばれ、兵庫の臨海部の大動脈となる道路と認識しています。
神戸市内の阪神高速神戸線は、渋滞が1日に4時間から8時間発生し、月見山から深江までの区間で、普通19分なのが、渋滞時には52分掛かり、最大33分到着が遅れます。都市高速では、日本一の渋滞路線となっています。
さらに、着実に整備が進む首都圏や中部圏と比較して、関西圏の環状道路は整備が遅れていることから、早期の事業化が不可欠です。中でも、六甲アイランドと阪神高速神戸山手線を結ぶ14.5キロの事業化につきましては、25年度から、国や神戸市、阪神高速道路株式会社とともに事業手法を決めるに当たって課題となる多額の事業費、整備の枠組みについて検討してきました。今年度、阪神高速に調査費が計上されました。渋滞解消効果や採算性の検討などが進められています。検討結果を踏まえて、事業手法を確定してまいります。
また、5月14日には、神戸市、地元経済界とともに、早期事業化を求める決起大会を東京で開催しました。県議会議員連盟、国会議員連盟にもご出席いただき、国が主体となった整備と28年度の新規事業着手を強く訴えました。
今月末にも、関西経済連合会等の経済界と大阪府・市、神戸市、県の4自治体が連携し、関西圏の環状道路の早期整備を求める決起大会――これには西伸部も含まれますが――この決起大会を東京で開催する予定です。
名神湾岸連絡線につきましては、国により計画段階評価が進められています。今後、2回目のアンケート・ヒアリング調査の後、概略道路計画等が取りまとめられます。本道路は、西伸部とネットワークを形成し、効果を発揮することになりますので、同時期の供用を目指しています。
今後とも、議員連盟のご指導、ご支援を賜りながら、神戸市、経済界と協力して、西伸部の早期事業化の実現に取り組んでまいります。

7.県立高校の学区再編の成果と課題について

【質問:こしだ】
次の質問は、県立高校の学区再編の成果と課題についてです。公立高等学校の学区再編成後、初の入試を実施し新年度がスタートしています。これまでの経過をふまえ、伺います。
本県では、社会や子どもたちを取り巻く状況が大きく変化する中で、学校の個性化・多様化の推進、入学者選抜制度・方法の改善などについて検討するため、平成10年に「全日制高等学校長期構想検討委員会」の設置に始まり、平成12年から二次にわたる「県立高等学校教育改革実施計画」を策定、学びたいことが学べる魅力ある学校づくりを進めてきました。
平成21年度から25年度の第二次実施計画においては、複数志願選抜制度を16学区中12学区に導入し、平成23年11月には、通学区域検討委員会から、高校を多様に選択できる権利を保障する観点からの最終報告を受け、準備を進めてきました。最終報告の内容は、大きく、現行の16学区を5学区に再編することとし、その実施時期は平成27年度入学者選抜からとするものでした。
約半世紀の間、実施してきたこれまでの通学区域の状況を踏まえ、地域の実情に十分配慮しながら、必要な制度設計については、市町組合教育委員会や中・高校長会などと十分に協議するとして、一つには、受検生・保護者の学区再編に対する不安感を解消し、学区再編後の複数志願選抜の円滑な実施に向けた工夫・改善、二つには中学校の進路指導に係る環境整備、三つには、関係者に対する丁寧な周知・広報が必要である、とされました。
新しい学区によって入学者選抜が行われた今、これらの内容がしっかり達成できたのかを検証し、新通学区域導入の成果と課題について明確にすべきであると思います。5月22日から生徒・保護者4万人を対象にアンケートを実施され、今後の参考にするという取組がなされていることは大いに評価するところであります。今後行われる結果の分析をふまえ、適切な措置を講じるべきと考えます。
実際の入試では、難関と言われる学校において、“定員割れ”になった例もみられました。新通学区域導入が所期の目的を達成するものであったのか、心配をされる意見もあるところです。
また、これは、生徒や保護者の進学志向の高さが影響していると思われますが、建設業界の方からは「現場を管理する若い人材がほしいが建築学科が少なく、確保が難しい」と聞くことがあります。建設業や製造業の現場で将来の社会を支えていく人材を育成していくためにも、幼いころから育っていく中で多種多様な将来の夢を抱き、発達段階に応じて学習をし、しっかりと生きていく力を付けるための大切な分岐点が高校入試の時期であると思います。生徒の将来を見通した制度づくり、進路選択の支援は現在の私たち大人がしていく必要があります。入試はその大きな要素であり、不断の改善に取り組んでいただきたいと思いますが、このたび行われた県立高校の学区再編の成果や課題について所見を伺います。

【答弁:高井教育長】
県立高校の学区再編についてお答えをいたします。
今回の学区再編に当たっては、平成24年の基本方針の公表以来、中学校教員や保護者等への説明会の実施、制度変更に係るパンフレットの中学生への配布、全県及び各地区単位の中学・高校間での情報交換など、丁寧な周知・広報を続けてまいりました結果、多くの関係者のご協力もあって、大きな混乱なく導入できたと認識をしています。
今回の再編では、選択できる学校の数が、概ね3倍に増加をしました。そして、各学校の魅力・特色づくりの努力とも相まりまして、学びたい高校選びに寄与できているものと考えています。
今年度の複数志願選抜におきましては、旧学区外の学校に志願して合格した生徒は、合格者全体の11.7%でございました。また、中学校長や受検者等からは、「生徒が高校の魅力・特色に関心を持つようになった」、あるいは、「学区再編によって今まで行けなかった学校を受検できた」との声も多数得ておりまして、一定の成果があったものと考えていますが、一方では、「どの高校を選ぶか悩む生徒が増えた」といったような声もございますので、更なる情報提供の工夫が必要と考えています。
また、ご質問の中で進学に偏った進路選択になりはしないかとのご懸念も示されました。早期からの進路指導が生徒自らの適性と進路を早くから考える契機ともなりまして、全受検者のうち約2割の生徒が職業学科を志願しているところです。
一方、改編の初年度ということもありまして、旧学区間の受検者の流動が予測し切れずに、学校選択に慎重になった結果、いわゆる難関校のごく一部分で定員を満たさない学校も生じたところです。
今年度は、昨年度の取組に加え、受検者の地域間の流動状況など詳しい情報を中学校に提供するとともに、生徒、保護者等を対象としたアンケート結果等を分析しながら、中学校長会等と連携して、生徒、保護者への周知・広報や情報提供などの更なる改善に努めてまいります。

8.高齢者の交通安全対策について

【質問:こしだ】
最後の質問は、高齢者の交通安全対策についてです。
交通安全意識の浸透や自動車の安全性能の向上により、交通事故による死者数は年々減少傾向にある一方で65歳以上の高齢者が占める割合は全国的にも増加傾向にあります。全国の統計では、平成26年の交通事故による死者数が4,113人そのうち65歳以上が約半数となっております。
本県においては、平成26年中に県内で発生した人身事故による死者数は182人で、このうち高齢者の死者数は103人で全死者の56.6%を占めるなど、全国ではワースト2位となっています。県警をはじめ関係機関が努力されるなか、高齢者については依然として厳しい状況にあります。
高齢者の死亡事故は、横断歩道以外の場所からの横断や信号無視など、高齢者自身の交通ルール違反も原因とされております。また、自宅から500m以内で事故が多く、住み慣れた環境で「いつも通り慣れている道だから大丈夫」との過信が要因ともされています。
高齢者の運転中の事故については、アクセルとブレーキの踏み間違いや漫然運転、不十分な安全確認が原因とされ、重大事故につながる高速道路における逆走は、全国において平成26年中に確保された者のうち、約7割が高齢者ドライバーであるとの統計もあります。また、70歳以上の高齢者には運転免許証更新時の高齢者講習受講が義務付けられていますが、自動車教習所での予約が取りにくい状況があるようです。国には、こうした声にも耳を傾けてほしいと思います。
このような状況の中、この6月1日に改正道交法が施行され、自転車運転者は、3年以内に2回以上危険行為をして検挙されれば、自転車運転者講習の受講義務が課せられます。14歳以上が対象ではありますが高齢者の方々も当然対象となり、交通安全マナーの向上、浸透が期待されます。
本県においても全国に先駆けて自転車保険の加入を義務付けるなど「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が、4月1日より施行されましたが、県民が安心して暮らすことができる地域社会の実現に交通安全は欠かせません。
道交法の改正により、自転車運転者による危険行為の取締りの強化が必要であると思う一方で、改正の趣旨や目的を理解されていない県民も現状では多くいらっしゃるのではないでしょうか。多くの県民、とりわけ高齢者に法改正について周知し理解されることが大変重要だと感じます。
そこで、県警として、高齢者に対して今後これらの法改正の広報と交通ルールの周知をどのように推進し、交通事故を減少させていくのか、県警本部長にお伺いいたします。

【答弁:井上警察本部長】
高齢者の交通安全対策についてお答えいたします。
県警察では、交通事故死者の半数以上を占めております高齢者の交通事故防止対策を最重要課題として取り組んでいるところでありますが、平成26年中における高齢者の交通事故死者数の6割以上が、歩行中と自転車乗用中のものであり、さらに、その約8割の方が運転免許を保有されていませんでした。
議員ご指摘のとおり、高齢者に対する交通ルールの周知が重要でありますことから、県警察では、自治会や老人会など、高齢者の集まる場所へ出向いて、歩行者教育システムなどを活用した参加・体験・実践型の交通安全教育を実施するとともに、交通安全教育を受ける機会の少ない高齢者に対しては、自宅への戸別訪問活動や商業施設等における待ち受け型の交通安全指導を実施し、交通ルールの周知徹底を図っているところであります。
また、本年6月1日、改正道路交通法の施行により、自転車運転者講習制度が始まりましたことから、広く県民に対し、各種メディアや自治体のウェブサイト、街頭キャンペーン等を通じて、講習制度の広報・啓発を実施しているところであります。
特に、高齢者に対しましては、引き続き、自転車シミュレーターや視聴覚教材を活用した、より効果の高い交通安全教育を実施し、自転車の正しい乗り方や交通ルールについての指導を行うとともに、講習制度の趣旨や目的の周知を図ってまいります。
県警察といたしましては、高齢者対策が交通死亡事故抑止対策の鍵であると捉え、悲惨な交通事故を1件でも減少させるため、各種交通事故防止対策を強力に推進し、安全・安心な交通社会の実現に努めてまいる所存であります。

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