2022年6月6日 第358回定例会 代表質問

<質問項目>
1.県政推進の基本姿勢について
2.兵庫県政におけるSDGsについて
3.大阪・関西万博関連施策の実施について
4.元町周辺再整備について
5.ひょうごウクライナ支援プロジェクトについて
6.コロナ後遺症対策について
7.ヤングケアラーへの支援について

2022年6月県議会本会議の様子

1.県政推進の基本姿勢について

【質問:こしだ浩矢】
神戸市長田区選出、公明党・県民会議の越田浩矢でございます。通告に基づきまして、会派を代表し、7項目について分割方式にて質問を行わさせていただきます。
まず最初の質問は、県政推進の基本姿勢についてであります。
本定例会は、齋藤県政のもとで新年度がスタートして初の議会となります。
今年度の予算編成に向けて示された県政改革方針の実施計画案や行財政運営条例の改正案等において、議会や各市町から様々な意見が出され、廃止予定事業や条例案の見直しが行われることとなりました。齋藤県政が目指す躍動する兵庫の実現に向けた基本姿勢として、オープンな県政の推進、誰も取り残さない県政の推進、県民ボトムアップ型県政の推進の三つを掲げて取り組むこととしていることが、ある意味、出だしから課題にぶち当たることとなったのではないでしょうか。
また、4月の組織改正では本庁の5部体制を12部体制とし、調整機能の強化策として各部に総務課を設置し、各部の総務課同士の連携により縦割りの弊害を防ぐ手だてとし、部局横断の課題に積極的に取り組むことができる体制に改めることとしております。そして、イノベーション型行財政運営によって、職員一人ひとりから自律的、多発的に業務の創意工夫や変革の提案がなされる県政の実現を目指すとしています。
井戸県政においては、井戸知事が副知事時代からの様々な経験と知識をもとに、知事が県政のあらゆる面を把握し、バランスをとりながら意思決定を的確に行う、ある種のトップダウン型の県政推進であったと思いますが、齋藤知事はそのような基盤がない中において知事としてスタートしたことから、県庁内のボトムアップをうまく機能させ、民間力を取り入れながら政策目的を明確化し、エビデンスに基づくEBPMを原則にして、外部評価を積極的に活用しながらPDCAサイクルを厳格にして県政推進を行っていくことを掲げられていることはよく理解できます。
今年度の予算編成を終え、新年度に組織改正を行い、ある意味において本格的な体制を整えた現時点において、これまで示されてきた齋藤知事の県政推進の基本姿勢について、行革の見直しや条例案を進めていく上での修正を迫られた経験をもとに、もう一段具体的な取組としてブレイクダウンして、新年度における県政推進をどのように展開していこうとされるのか、また組織改正による新体制によってどのような効果の発揮を期待するのかについて知事のご所見をお伺いいたします。
【答弁:齋藤知事】
公明党・県民会議議員団を代表しての越田浩矢議員のご質問にお答えをいたします。
まず、県政推進の基本姿勢についてでございます。
昨年度の県政改革方針の策定、そして条例改正の過程では様々な議会からのご意見などもいただいたというところでございます。県議会をはじめ、市町関係者、県民の皆様とより丁寧に対話を積み重ねることの大切さを改めて感じたところでございます。
このため、今年度の県政推進に当たりまして、特に大切にしていることは、現場主義の徹底、そして対話の重視でございます。現場に直接行かせていただきまして様々な課題を聞かせていただくと。そして、それを県政の施策・対策につなげてまいります。
また、様々な方との対話、コミュニケーションを通じて理解の促進、それから合意形成を図るとともに、結論を出した後も丁寧にフィードバックをさせていただくなど、やはりプロセスを大切にするということが大事だと思っております。こうした姿勢を、私もそうですけれども全ての職員と共有をして県政を進めてまいりたいというふうに考えております。
この間、新年度が始まりまして、県内各地に足を運ばさせていただいて、首長さんとの意見交換、様々な現場の課題を見させていただきました。そういったこともこれからも積み重ねていきたいと思っております。
組織については、本庁12部体制とさせていただきました。これは午前中でもご質問がありましたけれども、やはり各部の部長の責任を明確化し、部長を中心に、そのもとで次長、総務課がサポートしながら迅速な意思決定によりまして各課題の解決を目指したものでございます。
この間、部局長マネジメントのもとで、例えばヤングケアラーの対策、それからスタートアップもそうですけれども、ウクライナの対応、今回の6月補正でも計上させていただいております原油高騰対策など、様々な課題にスピード感を持って的確に対応するということを、今、頑張ってやっているというところでございます。
そういった意味でも、今後とも各部長がマネジメント力を発揮し、理念そして方向性を私とともに共有をしながら積極的に様々な施策を展開していくということをこれからも進めてまいりたいと考えております。
躍動する兵庫の実現に向けて、今年度がスタートして、はや2ヵ月が過ぎたということですけれども、こうした基本姿勢のもと、そして組織体制を新たにしまして、県議会の皆様とも緊密に引き続き連携しながら県政を前に進めてまいりたいと考えております。
【再質問:こしだ浩矢】
再質問をさせていただきます。
まず、県政推進の基本方針ですが、20年続いた井戸県政から齋藤県政に代わって、大きな変革を、改革をしていこうということで大変なことだというふうには思っております。三つのオープンな県政、誰も取り残さない県政、県民ボトムアップ型の県政を推進していこうということが、そんなにいきなり全てがうまくいくわけはないというふうに認識をしておりますので、様々な課題がありながら試行錯誤をしながら、トライアンドエラーで取り組んでいただくということで全然いいというふうに思っています。
井戸知事の場合は本当にトップダウン的なところがあったのかなと。トップダウンのよさとしては、迅速な意思決定ができて、非常に的確にリーダーが指示をすればスムーズに県政が推進されるという面はあると思うんですけれども、知事がオープンな県政、ボトムアップ型の県政を進めるということからすると、なかなか今まで県庁の職員も含めてトップダウン型に慣れている中で、ボトムアップをいきなり実行するというのはなかなか難しいんじゃないかなというふうに思っています。
部を12部体制にしたところも、部長に責任をしっかりと持ってもらって、マネジメント力を向上させるというご答弁がございましたけれども、やはり職員が自発的にいろいろ提案をしてやっていけるという風土というのを県庁内につくっていくことは非常に重要ではないかなというふうに思っております。そのための組織をどう増やすだけではなくて、下からのボトムアップの意見が言いやすい、いろんなことを言っても大丈夫なんだという県庁の雰囲気をつくっていく、もっと言うと制度としてちゃんとそれを確立していくみたいなところも重要ではないかなというふうに感じております。その点についてですね、部長のマネジメント力の発揮という部分以外に、部下からの提案とか、その辺の部分をどうやって引き出していこうとされるのか、今現在やっている取組があれば教えていただきたいですし、課題があるなら今後どうしていこうというふうに思っていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
【答弁:齋藤知事】
お答えをいたします。
トップダウンかボトムアップかということですけれども、どちらかというわけではなくて、両方大事だと思ってまして、特に危機管理対応とか、あとは急を要する社会課題が急に出てきたときに、これをどういうふうにやっていくかということを、ある種、トップダウンでやらなきゃいけないと。今回のウクライナ対応もそうですけれども、一方でいろんな県政というのは裾野が広い様々な分野での対応が必要なものがありますので、そういったところはボトムアップでやっていくということが大事かなと思っています。
私自身、就任前は兵庫県庁で働いたという経験も、部長や副知事ではなかったので、そこはどうしてもやはり私一人の力ではなくて、職員全体でいろんな知恵やアイデア、取組をベースにしながらやっていくという意味ではボトムアップというものも大事だと思っていますので、両方をうまくバランスをミックスさせながらやっていくというのが私の一つの考え方です。そういった意味で職員の皆様からのボトムアップというのも大事なところですので、そこをどういうふうにいろんなアイデアや意見を取り入れさせていただくか、それを共有していくかというのは特に大事にしているところでございまして、政策会議というものも月に2回程度やっています。そういったところでも、あまり私は挨拶とか、そういうものは長くするほうではないでして、さっさと挨拶は終わらせたり発言は短めにして、後はいろんな部長さんの意見とかを聞くようにしてますので、そこはすごく、もともとそういう性格なんですけれども、いろんなことを聞いて、それでみんなで共有しながら進めていこうかなというのは、これは政策会議もそうですけれども、恐らく部長さんとかとの打合せの時とかも大体そんな感じでやってますので、そういうのを、ちょっとまだ不十分だと思っているかもしれないですけれども、できるだけ私がしゃべったり、こういうふうにしてという時間を短くしたりしながら、時には長くしますけれども、そんな中で部長さんや課長さん、次長さんの思いを、考えをしっかり聞くということを中心にして今やっているというところです。
【再質問:こしだ浩矢】
もう1問、再質問をさせていただきたいと思うんですけれども、知事がEBPMで政策目的を明確にしてエビデンスに基づいて外部評価も使いながらEBPMをしていくということを打ち出されております。
 それで、今年度の予算案の事業で見ているとですね、こういうちゃんと評価をしようと思うと、やっぱり数値目標で具体的に決まっていないと評価しようがない、評価が曖昧になってしまう、定性的な評価になってしまうんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点がまだまだちょっと明確に見えてこないなという気がしておりますけれども、その点はどのようなお考えなのか、お聞かせください。
【答弁:齋藤知事】
エビデンスベースの政策決定、そして進捗管理をしていくということが大事だと思っております。もちろん政策によっては、そういった例えばエビデンスでは、なかなか具体的な効果が見えないという分野はもちろんありますけれども、多くの分野はそういったところを取り入れていきたいというふうに考えています。
令和4年度の予算編成の中でも、一部の事業にはそういった視点も取り組みましたが、まだまだ十分でないという点は、まさにご指摘のとおりですので、今年度やります事業レビューなどで、そういったEBPMの視点をしっかり取り入れて、新しい政策についても、そういった視点を取り入れて数年間でこういった評価をしていっている、その後どうしようかと考えているとか、そういった取組をこれからしっかりやっていきたいなと思っています。
【コメント:こしだ浩矢】
今の県政推進につきましては、新しい知事のもとで本当にやり方も組織も変わってということでございますので、やっぱり知事と幹部との関係性が、そのまままた部長とそれ以下の職員との関係にも反映される部分もあると思いますので、今の齋藤知事がご答弁いただいたような形で本当に意思疎通もざっくばらんにできるようなオープンな雰囲気の中でしっかりと県政を推進していただきたいなと思っております。

2.兵庫県政におけるSDGsについて

【質問:こしだ浩矢】
次の質問は、兵庫県政におけるSDGsについてお伺いをいたします。
今年度の県政改革方針の一つに、齋藤知事はSDGsで宣言された誰一人取り残さないという理念を誰も取り残さない県政の推進として掲げ、部局横断的な体制として、知事を本部長とする兵庫県SDGs推進本部を立ち上げ、SDGsの理念に即した施策を推進するとしています。
これまで我が会派は、SDGsを県政の基軸に据えて取り組むべきことを訴えてきたこともあり、齋藤知事がSDGsに本格的に取り組む姿勢を示していることに大きな期待を寄せております。
兵庫県版のSDGsとして、官民連携で社会的課題(安全・安心、環境等)の解決と地域経済の発展の両立を図るとしており、さらに内閣府が実施しているSDGs未来都市の認定を令和4年度中に申請し、令和5年度に認定されることを目指す方針を示されています。
また、知事のSDGsに関する発言では、ひょうごフィールドパビリオンをSDGsを体現する地域の活動現場と捉えていること、中小企業や地場産品の産地組合によるSDGsの取組を支援し、企業や地場産品のブランドアップにつなげていくこと、SDGsの取組は産業のブランド力の向上や地域の活性化とともに、税収の増加にもつながることを県民にメリットとしてしっかり伝えて、オール兵庫で取り組むといったことを言及されております。
これらのSDGsに関して示されている事項だけを見ていると、SDGsに取り組んだ結果や効果である地域経済の発展にフォーカスされていて、兵庫県の特性を踏まえてSDGsをどのように捉え取り組もうとしているのかという視点が、はっきり示されていないように感じます。
SDGsの実現に向けた取組は、天然資源を大量に採掘し化石エネルギーを使って大量に商品を生産し、大量消費の果てに廃棄する現在の経済と社会の姿を根本的に変革し、消費経済を循環経済へ、化石燃料から再生可能エネルギーへ、自然が持つ価値を適切に評価する経済の仕組みを作るといった流れをつくり、株主に奉仕する企業ではなく全てのステークホルダーのための企業へ、金銭的な利益を最大にすることを目指してきた投資から、環境や社会に配慮したESG投資へと世の中の仕組みを大変革していくことが重要であると理解をしております。だからこそ、兵庫県としてのSDGsに取り組む理念的な根っこの部分をはっきりさせておく必要があるのではないでしょうか。
本年度予算においてSDGs関連の事業を数多く実施することになっていますが、県庁内の共通認識はもとより、県内企業や団体、県民等、県政に関わる全てのステークホルダーを包摂したSDGsの展開が重要であることからすると、兵庫県としてSDGsに取り組む上での基本理念等を条例化する必要性も感じます。
SDGsに取り組む上で、知事の基本方針である誰も取り残さない県政をどのように実践されようとしているのか、SDGsに対する知事の基本的なスタンス等を含め、どのような取組イメージを持っているのかについて、ご所見をお伺いいたします。
【答弁:齋藤知事】
次に、兵庫におけるSDGsの推進についてでございます。
SDGsの視点を用いて社会課題の解決、そして経済発展の両立を図りまして、それがいわば持続可能な環境面を含めた地域社会をつくっていくと。これによりまして、誰もが希望を持って生きることができる兵庫を将来世代に届けていくことが私たちの目標、そして責務であるというふうに考えております。
これまで、県は参画と協働という考え方のもと、誰もが望む働き方を選び、生涯安心して暮らせる地域、そして中小企業、地場産業、農林水産業、全ての産業の皆様が活躍する地域経済、多自然地域と都市部がともに発展する社会を目指してまいりました。こうした取組は、まさにSDGsが掲げる目標、そして誰も取り残さない理念と合致していると考えております。今後も、このスタンスを維持しながら、SDGsを切り口とした取組を更に深めてまいりたいと考えております。
2025年には、いのち輝く未来社会のデザインをテーマとする関西での万博が開催されます。こうした取組は、兵庫県の取組を国内外に発信する大きな機会だと捉えております。震災からの創造的復興、そして兵庫県が育んでいる豊かな自然が育てる食材、多様な地場産業、芸術文化など、世界のモデルとなる社会課題の解決に向けた取組を、まさに兵庫フィールドパビリオンとして発信することで兵庫県のブランド価値を高めてまいりたいと考えております。
こうした取組には、行政、企業、県民の皆様など、多様な方々との連携が重要だと考えております。地域課題の解決に向けた企業との協働プロジェクトも大事でございまして、そういった意味で公民連携でSDGsを推進していくというプラットフォームを立ち上げてまいりたいと思っております。
ウクライナの件でもそうでしたが、やはり公民連携のプラットフォームをつくって、様々な企業や団体の方と行政が連携して、それぞれの資源を持ち寄って多様な課題に対して解決策を作っていくということが、これからのSDGs型の社会課題の解決の一つのモデルだというふうに考えておりますので、取組の裾野を広げてまいりたいと考えております。
今後は、議員ご指摘のとおり、SDGs未来都市の提案に向けまして、有識者、企業、県民と議論を重ねてまいりたいと考えております。その中で兵庫県の目指す姿や取組の方向性、目標、推進体制を定めるとともに、基本理念をどのように形づくっていくとか、それを県民の皆さんと意識を共有していくのかということも含めまして、今年度検討させていただきながら、SDGsを力強く推進してまいりたいと考えております。
【再質問:こしだ浩矢】
SDGsについて1問再質問をさせていただきます。今回、SDGs、いろんな分野で取り組もうということで打ち出されておりまして期待をしているところでございますが、このSDGs未来都市をまず目指すんだというところが若干個人的には違和感を持っております。
いろんな取組をした中で、兵庫県のSDGsはこういうところを重点的に取り組もうというのが見えてきた段階で、そういう認定を受けるというのが何か本来ではないかなという気がしているのですが、まずこのSDGs未来都市を目指すというところで基本的なコンセプトも固めて、みんなで共有していこうみたいな段取りになっているように見えるのですけれども、その辺の思いをもう少しお聞かせいただけますでしょうか。
【答弁:齋藤知事】
お答えします。
SDGsは、齋藤県政にとって一番大きな政策課題の一つでございます。これから議員ご指摘のとおり、社会課題の解決を持続可能な形でやっていくと。そのためには、環境分野の取組を中心に様々な持続可能な社会課題、17のゴール169のターゲットですけれども、それを環境分野のみならず、あらゆる分野でビルドインにさせていくということが大きな目的の一つです。それをやっていくということを本部を立ち上げて着実に進めていくんですけれども、やはり一つの目標というものがあるということが、取組をする際にも具体的なものとして大事だと思ってますので、それがSDGs未来都市への選定というものを一つの目標としてまずは掲げさせていただきました。その今年度の目標でしっかり、それを逆算しながら取り組んで進めていくという意図がありましたので、そこを確かにもっともっとしっかりやった上で都市を目指すというのがあったかもしれないですけれども、まずは今年度しっかり取り組んでいく一つの目標としてSDGs未来都市の選定を目指すということを決定させてもらったというのが趣旨でございます。
【コメント:こしだ浩矢】
説明はよく分かりました。今年度、取っかかりということでですね、いろんな取組、うまくいくものもあればそうでないものもあろうかと思うんですけれども、しっかり取り組むということで期待をしたいと思います。
できたらですね、今のところやっぱり企業とか、大学とか、そういったところを巻き込んでやろうというようなのが見えるんですけれども、県民を巻き込んでいこうというのはまだ見えてないなというのが正直ありますので、2050年カーボンニュートラルを目指そうと国も意欲的な目標を掲げている中でですね、隣の大阪なんかでは脱炭素ポイント制度みたいのを作って府民を巻き込んでやろうみたいな動きもありますけれども、そういったことも含めてですね、段階的ステップアップでいいと思うんですけれども、県民も含めて兵庫県としてSDGsを本当に力を入れてやっているんだという姿勢を示す上でも県民運動的にも取り組む側面というのも加えていただきたいということを要望して、次の質問に移らせていただきたいと思います。

3.大阪・関西万博関連施策の実施について

【質問:こしだ浩矢】
次の質問は、大阪・関西万博関連施策の実施についてお伺いをいたします。
齋藤知事は、選挙公約で、兵庫経済の活性化、観光振興等において大阪・関西万博関連の施策に重点を置いた提案を行ってこられました。大阪・関西万博は、会場こそ大阪ですが、世界各国が日本、それも関西に注目する好機と捉えることができます。今回の万博が生み出す経済波及効果は約2兆円と大きく、関西における新たな共創やイノベーションの創出が期待されています。また、2,800万人の来場者を見込んでおり、兵庫の魅力を世界に発信する絶好の機会となります。
知事は、この好機を前向きに捉え、万博をどう兵庫県のために生かし、その効果を極大化するのかをご自身の使命と考えていると拝察いたします。その意気込みは、技術職の副知事の選任や万博推進室の設置からもうかがえます。
万博推進室では、大阪湾ベイエリアの活性化とひょうごフィールドパビリオンの展開という2大施策を強力に推進されようとしていますが、特に大阪湾ベイエリアの活性化については、正直なところ、これまでの知事の議会等での説明を聞いていても、そのポテンシャルと活性化事業の展開イメージがなかなか湧かないという感想を持っておりました。
そうした中で、5月23日に、知事と神戸、尼崎、西宮、洲本、芦屋、南あわじ、淡路の沿岸7市長出席のもと、兵庫県域の大阪湾ベイエリア活性化推進協議会が開催され、今年度中にベイエリアの将来像や事業展開の方向性を示す基本方針を策定し、企業誘致や交流人口の拡大、海上交通、臨海部の土地利用の在り方等について具体的なプロジェクトを立案し、万博に向けた取組とともに、中長期的な活性化戦略を描くという方向性が示されました。基本方針の原案は学識経験者や民間企業で作る企画委員会で作成するとのことですが、大阪湾ベイエリア活性化の発案者である知事が思い描いている構想の種や展開のイメージについて、投資を伴う開発事業の展開がメインとなるのか、既存資産のアレンジや活用によるソフト事業的な展開がメインになるのか、大阪側との連携については兵庫・大阪連携会議を活用するとのことですが、連携して実施する事業案としてどのような項目が想定できるのか等、もう少し具体的に語っていただき、思いを共有し、議会からも知恵やアイデアを出すなど協力していきたいと考えます。
また、11名体制の万博推進室で、大阪湾ベイエリア活性化施策の推進とフィールドパビリオンの展開に取り組むことについては、本来、観光や開発等を担う主管部との役割分担等、組織的にスムーズな体制として機能するのかという心配もあります。
以上の点について、大阪・関西万博関連施策の推進について知事のご所見をお伺いいたします。
【答弁:齋藤知事】
お答えいたします。
2025年の万博の実施についてでございます。
2,800万人が訪れまして、そして世界からの注目を集める2025年の大阪・関西万博は、やはり兵庫県にヒトやモノや投資を呼び込む大きな絶好の機会だと考えております。兵庫県域の大阪湾ベイエリアの活性化、そして万博期間中を含めたフィールドパビリオンの取組を、その起爆剤として展開をしていきたいと考えております。
兵庫県域の大阪湾のベイエリアについては、人口や産業が集積しているというところでございまして、陸・海・空の交通インフラも充実するなど、更なる成長への高いポテンシャルを持っている地域だと考えております。
今後は、県や関係する7町ですね、5月23日に、議員ご指摘のとおり第1回の会議を開催させていただきましたが、やはり県が中心となって関係する市と横の連携を持つということが一つの大きな取組の第一歩で、これから将来のビジョンというものを共有化しながら発信していきまして、このエリア全体の訴求力、投資を呼び込む力を高めていくということが大事だと思っております。その上で、公民連携、そして規制緩和の推進や様々な利用されてない未利用土地などがございますので、そういったところを民間を含めた新たな活用の動きをつくっていくということが大事かなと思っています。また、広域観光の展開を含めまして、近隣の府県との連携も視野に、ベイエリアの活性化を着実に進めてまいりたいと思っております。
具体のプロジェクトですけれども、時間軸を意識して展開していきたいと考えております。やはり、まずは万博までの3年間でございます。この期間は、基本的な交流の活性化を軸に置きまして、周遊の滞在型観光、これはデスティネーションキャンペーンもこれから始まりますけれども、それから海上交通、そういったところを中心にやっていくというものです。その中で、既に実証実験を水上交通でやってますけれども、大阪と兵庫を結ぶという海上交通の実験などでは、大阪府などとの連携もこれからも出てくるというふうに考えております。
それから、中長期的には、やはり投資を呼び込んでいくということが大事で、これから様々な名神、湾岸も含めた道路インフラ、それから港湾のインフラ整備などもこれから続いていきますので、そういった流れの中で企業誘致、それから民間投資の呼び込みを進めていきたいなと考えております。
それから、もう1点のフィールドパビリオンについては、これは万博の期間中にSDGsというものを切り口にして、兵庫県内の様々な取組、地場産業、伝統文化、それから震災からの復旧・復興の取組など、様々な活動の現場そのものを兵庫県の世界に発信すべき人類共通の諸課題の解決モデルだということで発信していきたいと考えておりまして、万博の来場者をできるだけ多く県内各地に呼び込んでいきたいと考えております。近日中に、フィールドパビリオンの参加しませんかという募集の発表をしたいと思っておりまして、既に意欲を持っておられる各地域の方々がおられますけれども、そういった方々を参集しまして万博に向けたコンテンツを磨き上げ、それから観光という一つのプログラムにも組み立てていかなきゃいけないので、そういう形をどういうふうにしていくかということを積極的に展開していきたいと考えています。
こうした施策の推進に当たっては、ご指摘のとおり、観光や港湾、まちづくりなど、部局横断の連携が欠かせませんので、万博推進室を中心にして、全庁的な本部であったりとかワーキンググループを実施して実効性を高めてまいりたいと考えております。引き続き、公民連携などを基本に取り組んでまいりたいと考えております。
【再質問:こしだ浩矢】
再質問をさせていただきます。
まず、大阪湾ベイエリアの活性化についてはですね、活性化推進協議会の第1回の会議資料を拝見したんですけれども、とりあえず各沿岸市町の各首長の、うちはこんなんがあるよみたいのが出てきている資料だなというふうに思いました。やっぱり検討を進めていく上では、齋藤知事が言い出しっぺでもありますし、議論をリードする上でもやっぱりメインはこうなんだという何かメインディシュというか、メインのプロジェクトみたいな部分をぶち上げる必要があるんじゃないかなと思うんですけれども、万博までの海上交通をつくるという話よりも、もう少し中長期的に大阪湾岸で、大阪がIRをやると言っている中でですね、それが実現する前提で、大阪湾というのが非常に注目に値するエリアになるというのはかなり現実的な話だなと思っているんですけれども、メインとしてはどうしていきたいんだというところをもう少し打ち出さないと、すごく協議会自体も議論としては発散するんじゃないかなと思ったりもするんですが、その点はいかがでしょうか。
【答弁:齋藤知事】
その辺りも含めて大事なテーマだと思ってますので、これから議論をしっかりやっていきます。先日、立ち上げをさせていただいたのが首長さんの協議会ですけれども、あわせまして有識者も含めた検討会を立ち上げてますので、そこで具体的な内容を検討していきます。できれば、シンボル的なプロジェクトを各市ごとに一つか二つぐらい作っていくということが望ましいかなあと思ってます。それを包含する形で大きな何か方向性が出ると、共有するものができるというのがいいかなあと思っています。
大事なのは、県というものはやはり広域的な行政を担うところで、大事なのは地元の市ですね、どのような地域、ベイエリアを含めたまちづくり、地域づくりをしていきたいのかという思いが大事ですので、そこをしっかり酌み取りながら何か未来志向の大きなビジョンを作っていきながら、シンボルプロジェクトも作っていくと、そんなことを進めていきたいなと考えています。
【コメント:こしだ浩矢】
まだ具体的な姿が分からないところもあるので、いろんな議論、いろんなアイデアが出てくると思うんですけれども、それをしっかり見守らせていただきつつ、やはり県としてもしっかりこれをやっていこうみたいな提案もどんどんしていくべきではないかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

4.元町周辺再整備について

【質問:こしだ浩矢】
4点目の質問は、凍結されている県庁舎再整備事業の検討を含む元町周辺再整備についてお伺いをいたします。
齋藤知事は、井戸知事在任中に策定された県庁舎等再整備事業計画を一旦凍結し、新たに民間投資を呼び込むような将来の元町全体のグランドデザインを神戸市と連携して、できるだけ早期に描き、その中で県庁舎整備の在り方についても検討するとされています。
そして、今年度予算では、元町周辺のグランドデザイン等を検討するため、1.民間ヒアリングを実施し、元町周辺への進出意向や民間投資促進策等の意見を聞くこと、2.他の自治体におけるまちづくりの先進事例調査、3.神戸市が進める三宮再整備との連携強化を図るための関係会議開催に取り組むとしています。そして、現庁舎を当面活用する場合は、早期耐震化に向けた耐震改修方策等を検討するとしています。
あえて、元町周辺再整備という言葉を使っている意図からすると、県庁舎再整備の課題よりも元町周辺のまちの在り方のグランドデザインを描くことが第一で、県庁舎の再整備はグランドデザインにはまるのかどうか、更に民間投資を呼び込むことができてコスト低減を図ることができるのかどうかといった条件を満たせた場合に推進するのかどうかを判断することになるという理解が成り立ちそうに感じます。
阪神・淡路大震災の復興に多額の負債を抱えた兵庫県と神戸市は、県の玄関口であり、県経済の中心地である神戸の中心市街地発展に向けた積極的な投資を行うことができず、都市間競争において立ち後れているのが現状です。神戸市が進める三宮周辺の再整備事業とともに、県庁舎再整備を含む元町エリアの再開発は、神戸の都市としての機能や魅力を向上させるとともに、県経済活性化の起爆剤となる可能性を秘めていると言えます。
県財政の財源不足の課題を踏まえる必要は当然ありますが、県庁舎の耐震強度不足の問題の解決も含め、これまで長期にわたって検討してきた県庁舎再整備計画の成果、例えば、現庁舎の耐震化対応は長期的にはコストが大きいなどを生かしつつ、PFI等の民間ノウハウや資金の活用だけが伝家の宝刀のように全ての課題を解決できるものではないことも踏まえ、課題ごとの論点を整理、明確化し、いつまでに結論を出すのかというスケジュール感を示した上で検討を進めていく必要があると考えます。
県庁舎等再整備事業を含む元町周辺再整備事業について、どのように進めようとされるのか、もう少し具体的に詳しく当局のご所見をお伺いいたします。
【答弁:齋藤知事】
次が、元町周辺の再整備についてでございますが、県庁舎の再整備につきましては、新型コロナの影響による様々な働き方の改革の進展、国際情勢の変化による工事費の高騰など、現在、社会経済情勢が大きく計画策定時から変化しているというところです。一度立ち止まって合理的な整備の在り方を再検討をする必要があると考えまして、一旦凍結という判断をさせていただいたところでございます。
周辺再整備については、県庁舎の建替ということだけではなくて、やはり議員もご指摘のとおり、この元町というものは、これまでも県民の皆さんにとってすごく魅力のあるまちでございますので、その元町全体のグランドデザインを描きながら地域活性化の核となるということにしてまいる。それと、兵庫・神戸が都市間競争でもやはり選ばれるような、そんな魅力的なまちにすると。何より大事なのが、県民の皆さん、市民の皆さんにとって、この地域はいいなあと思ってもらえるような、集まってもらえるような、そんな地域にしていくということが大事だと思っております。
今年度、まず神戸市との連携はやはり大事ですので、神戸市と整備の方向性を協議して、一緒になって検討を進めてまいります。その上で、地域住民の方、それから神戸市など関係者の参画を得た検討委員会を立ち上げてまいりたいと考えています。その中で、グランドデザインのテーマ、エリアなど条件整備をしていき、柔軟な土地の利用、県の公館をどういうふうに活用するとか、そういった選択肢を少し増やしていった上で、民間の事業者さんからのアイデアも募集するということをしてまいります。概ね大体10年後ぐらいに、そういったいろんなアイデア、思いが結実するような、そんな時間軸で考えていきたいと考えております。
一方で、現庁舎については耐震が不足しているという指摘もありますので、ここは県民の皆さん、職員の安全確保も大事な課題だと考えております。耐震改修や民間オフィスの借上げを含めた手法、コスト、課題を、今、整理をしているというところで、こちらについてはできるだけ早く方針を決定して対応に取り組んでまいりたいと考えております。
これまで井戸県政のときから重ねてきた議論もしっかりと生かしながら、コストを含めた合理的な手法を検討しまして、兵庫・神戸の魅力向上に向けて、いわば50年後、100年後を見据えた元町のグランドデザインを作ってまいりたいと考えております。
【再質問:こしだ浩矢】
元町周辺再整備について再質問をさせていただきますと、今、知事のほうから一応取りまとめられていた県庁舎再整備の計画案が大きな社会の動き、働き方、国際情勢も大きな変化があった中で、もう一度再検討する必要があるんだというご説明がございましたけれども、ではそのいろんな変化がある中で、元町周辺のグランドデザインを描き直す、再定義するみたいなときにどういう視点で、どういう検討をしていく必要があるという問題意識をお持ちなのか、お聞かせください。
【答弁:齋藤知事】
大きな視点は、やはり議員からもご指摘があった、この元町駅、県庁を中心とするこの元町エリアの魅力の再向上ですかね、そして地域経済の活性化の中心としていきたいということです。それとともに、やっぱり県民の皆さんにとって、市民の皆さんにとって、この地域に集まってきたいと思うような居心地のよさとか、そういったことも大事かなと思っています。また、大きな災害とか、そういったこともこれから想定されますので、そういった防災・減災というものも意識していくということが必要かなと思っています。
今、元町駅については、いろんなところからバリアフリーの問題とか、そういった課題は指摘されてますけれども、そういった様々な障害をお持ちの方を含めて、移動もしやすかったりとか集まりやすい、地域にとっても優しいまちづくりというものも大事かなと思ってますので、そういった視点で具体的にはこれからつくっていきたいと思っています。
【コメント:こしだ浩矢】
三宮の再整備とともにですね、一緒にやるから相乗効果があるという面も恐らくあるのかなという気もしております。コストのこと、財政面のこともしっかり考慮しなきゃいけないというのは重々承知しておるわけですけれども、本当に50年に一度、100年に一度のチャンスじゃないかなと思っておりますので、しっかり検討していただくにせよ、それなりのスピード感を持って、財政の問題も解決しながら、どういう方向性でやっていくのかというのは、できるだけ早くやっていただきたいなという思いを持っておりますので、ご検討のほど、よろしくお願いしたいと思います。

5.ひょうごウクライナ支援プロジェクトについて

【質問:こしだ浩矢】
次の質問は、ひょうごウクライナ支援プロジェクトについてお伺いをさせていただきます。
ロシアのウクライナ侵攻の報道によりまして、避難場所となっていた学校が空爆され死傷者が出たことや、破壊されたまち並みの悲惨な光景など、非人道的な行動が明らかになるにつけ、県民の皆様も心を痛めておられます。ウクライナから周辺諸国への避難民の流出が止まらず、国連難民高等弁務官事務所は、5月12日までにウクライナから国外への避難民が600万人を超えたと発表いたしました。受入先はポーランドが最多で320万人超、続いてルーマニアが約90万人となっています。日本においても、避難民の受入を推進する方針です。
県では、ウクライナ避難民支援等に係る庁内プロジェクトチームを立ち上げ、情報共有や支援に当たっています。6月1日時点の避難民の入県状況は27組で、県営住宅4戸や知人宅に入居されております。兵庫県国際交流協会にウクライナ避難民等からのワンストップ相談窓口が設置されると、6月1日時点で避難民の親族や友人などから138件の支援依頼が、寄附や住居・仕事など98件の支援申出が寄せられました。
また、4月28日に開設したひょうごウクライナ避難民支援サイトでは、企業等からの支援メニューと避難民の需要をマッチングして、市町を通じて物資等を提供する公民連携プラットフォームによる支援体制を整えました。財源としているふるさと寄附金には、6月1日時点で当初目標3,500万円を上回る5,000万円以上の温かい気持ちが全国から届いているとお聞きしています。ロシアの非人道的な軍事侵攻に対する国民の憤りの高まりから国を挙げて支援の輪が広がっていることはすばらしく、できることは可能な範囲で手厚く対応するとともに、自治体による格差が生じないよう丁寧な対応を要望いたします。
一方で、避難生活が長期化するおそれもあり、日本語の習得や就労・就学に向けた支援が今後の大きな課題になります。これらの課題解決には、国と自治体、企業、NGOなどの連携が不可欠で、地域社会が一体となった取組が求められます。公民連携プラットフォームによる支援体制の充実が求められるところですが、地域性によるリソースの偏在もあり、実態に応じた臨機応変な対応も必要になると思いますが、今後のウクライナ避難民への支援の充実について当局のご所見をお伺いいたします。
【答弁:片山副知事】
ひょうごウクライナ支援プロジェクトについてでございますが、今回の支援に関しましては、ふるさとひょうご寄附金を通じて、県内外から3,000名を超える多くの皆様にご寄附をいただきました。合計5,500万円になっております。また、公民連携プラットフォームでは、30社から様々な物資や人的支援の申出をいただいております。この場を借りまして、改めてご支援に感謝申し上げたいと思います。
紛争終結が見通せない中、避難生活の長期化が懸念され、ご指摘のとおり、就労、日本語教育、子供の就学といった課題への対応が今後必要と認識しております。
就労につきましては、就労可能な在留資格の取得を促進しつつ、企業とのマッチングを行ってまいります。
日本語教育につきましては、市町の協力を得まして初級日本語教室を開講するほか、公共職業訓練の定住外国人向け日本語コースの受講を呼びかけていきたいと思っております。
子供の就学については、学校や市町教育委員会と連携し、子ども多文化共生サポーターの派遣も含めまして、一人ひとりに寄り添った対応を進めてまいります。
これらに加えまして、兵庫県こころのケアセンターにおいても、避難民を精神面でサポートする体制を整えております。
今後とも、庁内プロジェクトチームや国、市町等で構成するウクライナ避難民等支援連絡会議を通じまして情報の共有と連携に努めまして、居住地域によって支援格差が生じることなく避難民の方が安全・安心に暮らしていけますよう支援してまいります。

6.コロナ後遺症対策について

【質問:こしだ浩矢】
新型コロナウイルス感染後に体のだるさなどが続く後遺症について、国立国際医療研究センターのアンケート調査によると、感染者の10人に1人は1年後も後遺症が残ったとされています。後遺症の原因は、ウイルスが肺だけでなく心臓などの他の臓器にも侵入し、呼吸器系や循環器系、脳神経系などに影響を与え、多彩な症状を引き起こすと考えられています。
 多くのコロナ後遺症患者を診察してきた東京都渋谷区のヒラハタクリニックの平畑光一医師は、公明党の厚生労働部会での講演において、コロナ後遺症で診察した患者について、週の半分以上は自宅で休息する準寝たきり以上に重症化した人が4割弱いると報告されました。コロナ感染時の症状が軽症であっても重い後遺症になるケースがあり、その傾向はオミクロン株による感染でも同様であり、オミクロン株による感染者が急増したことで後遺症患者も増えていることから、感染から後遺症までを考慮すると、オミクロン株は最悪の株であるとしています。ヒラハタクリニックの後遺症患者で労働者2,110人のうち、解雇など職を失った人が149人7%、休職した人が867人41%に上っているとのことで、状況の深刻さが数字に表れています。
 後遺症症状で特に注意が必要なのは、入浴や散歩といった軽い運動などの5から48時間後に急激に強い倦怠感が出るPEMや数日間寝込んで動けなくなるクラッシュという状態で、適切なケアをせず放置したり無理に動いたりすると、原因不明で治りにくい慢性疾患、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に移行するおそれがあり、発症すると日常生活を送ることが困難になることから、倦怠感等の後遺症発症後は無理に体を動かさないことが重要と言われています。
 こうしたコロナ後遺症について、喫緊の課題として、平畑医師は、患者及び医師へのコロナ後遺症に関する正しい情報の提供が必要としています。後遺症に苦しむ患者は、もう治らないと絶望しているケース、後遺症がもとで鬱症状を発症するケースがあります。また、医師側も後遺症に当たる症状については労災保険の給付や健康保険の傷病手当金の対象になり得るにもかかわらず診断書を書けないと判断するケースや、労災にならないという対応によって後遺症患者が公的支援を受けられず生活に困窮し自死に至る等社会問題化となるケースも報告しています。
 後遺症対策について、厚労省の対策も踏まえつつ、県として急増している患者の方の不安を適切に取り除くことができる相談体制の強化や、医師への正しい知識や適切な治療法の周知とともに、後遺症の症例や治療情報の集約・共有を行い、後遺症に対する知見を高める取組や専門的な診察治療が行える医療の充実・紹介等により、苦しんでいる後遺症患者を救っていく必要があります。本県のコロナ後遺症対策について、現状把握状況と課題認識、今後の対策の推進について当局のご所見をお伺いいたします。
【答弁:齋藤知事】
私からは、コロナ後遺症対策についてお答えをいたします。
コロナの後遺症については、国が診療の手引で少なくとも2ヵ月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかないものを、いわゆる罹患後症状として取りまとめておりますが、原因については不明な点が多く、確立された治療法もないのが現状でございます。大半は時間の経過とともに改善をしますが、一部の患者では症状が長引き就労や生活への影響が生じる場合もあるとされております。
罹患後の症状については、呼吸器や循環器、神経や精神症状など多種多様にわたりまして、頻度や持続期間についても様々な研究報告がありますが、やはり基本は、かかりつけ医が経過観察を行うということが重要だとされております。
県では、医師の研修会の実施、それから罹患後の症状の基本的知見や職場復帰支援など情報発信を行うほか、心のケアについては健康保健福祉センターに心のケアの相談窓口を、今、開設をしているという状況です。罹患後の症状が一定数で長引くことなどを考慮しまして、医師研修会や情報発信については引き続き取り組んでまいりますとともに、やはりこの問題というのは県としてもしっかり取り組んでいくということが必要だと考えておりますので、今回新たに罹患後症状の専用相談窓口の設置をしてまいりたいというふうに考えております。
私自身もコロナに感染をしまして、一応2週間たった後、せきがしばらく続いたということですけれども、これは自然な経過でなくなったので、私自身はいわゆる後遺症はないということですけれども、やはりいろんなケースではですね、こういた後遺症に悩まれている方も一定数おられると思いますので、そういったことだからこそ、コロナという第6波が少し落ち着いてきて少し社会が新しく経済活動を回していこうというステージになったときだからこそ、こういった相談窓口を設置するということは一つの意義があるかなと思っておりますので、今後は国レベルの研究による新たな知見、専門家などの意見も踏まえまして、医師会などと連携しますけれども、こういった取組を通じながら、罹患後症状、いわゆる後遺症対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
【コメント:こしだ浩矢】
後遺症につきましては、専門の相談窓口を作っていただけるということで、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをいたします。
海外はですね、感染者が5割を超している国が多い、欧米各国は5割を超していて、やっぱり後遺症も身近にたくさんいるから理解があると言われておりまして、日本は、今、900万人弱の感染ということ、1割いってないと。なので、後遺症に対する周りの無理解というのがあって、気のせいだとかですね、なかなか言い出しにくいという空気があると言われております。だからこそ、やっぱりしっかりとフォローしてあげる体制を整えるということは大変重要だと思いますので、ぜひこの相談窓口をよろしくお願いしたいのと、治療面だけではなくて、労災を受けられますよとか傷病手当がもらえますよということも含めたトータルのアドバイスも含めて、しっかり対応できるような窓口にしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。

7.ヤングケアラーへの支援について

【質問:こしだ浩矢】
最後の質問は、今年度の9月県会でも我が会派の小泉議員が質問しましたが、ヤングケアラーへの支援についてお伺いをいたします。
ヤングケアラーについて、令和3年3月に公表された厚生労働省の実態調査によると、世話をしている家族がいると答えた子供は、中学2年生は5.7%、全日制高校2年生は4.1%という結果となっています。また、今年1月には小学6年生を対象とした調査が実施され、6.5%が世話をしている家族がいると答えています。世話をする家族の内訳は、複数回答できょうだいが最も多く、平日1日当たりに世話に費やす平均時間は、小学6年生が2.9時間、中学2年生が4時間、高校2年生が3.8時間となっており、調査の自由記述欄には、勉強面でも生活面でも精神面でも安心できるような環境が欲しい、助けてほしい、いつでも頼っていい人が欲しいといった切実な声がつづられているケースもあり、相談先が分からず孤立している様子がうかがえ、支援の手を差し伸べる必要があります。
ヤングケアラー問題は、昨年3月の参議院予算委員会で伊藤たかえ参議院議員が省庁縦割りを超えた支援の受け皿構築について訴え、国はヤングケアラー支援強化に乗り出しました。2022年度から3年間を集中取組期間と定め、2022年度予算や昨年12月成立の2021年度補正予算でも関連費用が盛り込まれました。
対策の柱の一つは、ヤシグケアラーに関する認知度の向上です。集中期間に積極的な広報を行い、中高生のヤングケアラーに関する認知度を5割に上げることを目指すとされ、早期に発見して適切な支援につなげるための方策を進める自治体に対する支援も行われます。県では、ヤングケアラーの現状とケアラー支援に関する検討委員会が昨年9月に設置され、早期発見、悩みの相談支援、福祉サービスへの円滑なつなぎ、市町や関係機関との連携強化などは推進方策にまとめられ今年度予算化されたことは評価いたします。
一方で、コロナ影響による経済状況の悪化から家庭の貧困や自粛生活が続くなど、子供たちを取り巻く環境の厳しさが見えにくいところがある中、支援が必要なヤングケアラーの子供の早期発見や関係機関につなぐという重要な役割は、学校現場、教育委員会にあると感じております。まずは、教育委員会がヤングケアラーの発見能力の向上や相談体制を強化するとともに、福祉などの関係機関へ迅速につなぐことが大切です。
ヤングケアラーは、制度のはざまにある複合的な問題であり、行政や地域の支援が欠かせませんが、行政では福祉や医療、教育など関係する部署が多岐にわたり施策を推進する主体が明確でない状況が問題として指摘されてきましたが、教育委員会として具体的な取組をどのように進めようとしているのかについて、ご所見をお伺いいたします。
【答弁:藤原教育長】
ヤングケアラーへの支援についてでございます。
県教育委員会といたしましても、ご指摘にありましたように、教職員によります早期の気付き、そして児童生徒が相談しやすい環境づくり、また市町の福祉部局等の関係機関との連携など、学校現場におけますヤングケアラーへの支援に向けた具体的な取組を推進していきます。
まずは早期発見に向けましては、県下各地区の校長会や全県生徒指導部長会、また教職員へのカウンセリングマインド研修など、あらゆる機会を通じまして、ヤングケアラーの概念や現状、そして発見につながる気付きのポイント、これらにつきまして全ての教職員への周知徹底と意識の向上を図ってまいります。
次に、相談対応につきましては、ヤングケラーがいることを常に意識をしながら、各学校におきまして担任によります個人面談、保護者を交えた三者面談、そして生活アンケートを実施するとともに、ひょうごっ子SNS悩み相談や24時間ホットラインなど、夏休み等も含めた相談窓口の周知を図ってまいります。加えて、スクールソーシャルワーカーも活用し、積極的な把握に努めてまいります。
その上で、ヤングケアラーと見込まれる児童生徒を把握した場合には、速やかにこのたび開設されましたヤングケアラー・若者ケアラー相談窓口や要保護児童対策地域協議会等の関係機関と情報共有し、適切な支援につなげます。そして、スクールカウンセラー等を活用いたしました児童生徒の心のケアにも取り組んでいきたいと考えています。
今後とも、県福祉部局主催の庁内連絡会議への参画のもと、関係機関と連携を図りながら関連施策を効果的に進めてまいります。
【コメント:こしだ浩矢】
ヤングケアラーの問題につきましては、なかなか教師がいろんな子供たちの変化とか、大変そうだなということに気付いてあげる気付きの能力というのは、いじめも含めてですね、すごく大事な能力だと思います。教員の多忙化でなかなかできないんだという話がよく出てくるんですけれども、本当に様々な子供の変化とか大変そうな状態というのを気付いて、どうやってつないでいくかというのは、いろいろ部局またがった連携というのは必要だと思うんですけれども、そこはしっかりとやっていただけたらというふうにお願いしておりますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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